2013年9月4日

北アルプス縦走 薬師岳から立山・室堂まで4日間の登山

先週、北アルプスの薬師岳から立山、室堂まで四日間かけて縦走登山へ行きました。初めてのアルプス縦走、目一杯、事前の調査・準備・トレーニングをしましたが、やはり実際行ってみるとホント凄い所でした。最終日は暴風雨に見舞われ、高山の悪天候の強烈さも思い知らされました。まさに心(精神をたるませないこと・緊張感が高まるところでも冷静になること)・技(三点確保その他)・体(17kg以上の荷物を背負って岩や急坂を越え続けていく)全てをアルプス初級者の自分は酷使しました。

薬師岳までは人が多い・そこから先がガチの登山になってくる
膝の手術の主治医からOKをもらった直後とはいえ、右脚はきついところほど機能せず、また、一般的には高度の高い室堂から薬師岳へ下っていくルートの逆を行ったという要素はありましたが、そこで体と精神全てで得たものや同じルートを行く(数少ない)他の方を見ていると”そんなの関係ねぇ(古い)”って感じでした。

最初のピーク、薬師岳・一日目は標高差1200mを一気に登る

データとしては・・・
最高高度:2926m
移動距離:34.3km
累計標高差(登り・下りの合計):10673m(ホンマかいなって感じですが)

整備されている道は殆ど無いこと、急坂が多いので一日に何回も低山の登山をしていた感じでした。急登部分は本当に傾斜がきついです。縦走ルーキーにとってはまさに修行。

北薬師岳・この後はガスに包まれた・稜線を伝ってゆく

稜線の一部はこんな感じ・一歩ミスすると滑落死です・高所恐怖症の人にはキツイかも

稜線ルートじゃなくてもこんな所を登ります・ひたすら岩を越える急坂

ストックはこまめに収納して、手を駆使してヨッコラショと登っていく

これまで越えてきた山々を望む・達成感は半端ないです

風景はきれいでも・・・あまり景色を楽しむ余裕はありませんでした・・・

大げさですが、必要最低限とはいえ重い荷物を担ぎ、自分の体のみを頼りに前進する、岩に描かれたペンキ・地図を頼りにルートを自分で見つけていく、ソロ(単独)なので様々なシーンにおける最終行動判断で頼れるのは自分のみなどなどに人生的なものも感じました。ここら辺はやはり初めてで且つ、一人だけということで感受性が通常時の倍くらいになっていたからだと思います。
また、登山のテクニックも身をもって自分なりに取得できました。ここら辺は山小屋で色々なことを教えていただいた諸所の先輩方のおかげでもあります。あと、やはり実地では自分なりに考えて工夫していくもんです。書籍で書かれていることが大事と思うこともあれば、オリジナルのやり方も創ったりとまさに”経験に勝るものはない”でした。

最終日は暴風雨の登山

強風だろうが雨だろうが判断した以上はとにかく登る登る

このルートは一歩進んだ登山・アウトドア活動の入門にとても良いと思いますので、経験したことを踏まえてサイトの方で改めて紹介したいと思います。同じソロで若い女性もおられましたし、3日間で踏破する行程でもあります。全ての行程の写真も取り巻くって結局1000枚くらい写真撮っていました、目的地到着時間が大幅に遅れるので写真はホドホドにした方が良いです、いやホント。最後の日は防水カメラが大活躍でした。

多少の技術、体力は必要ですが、本物の大自然をイヤというくらい体感できます。アウトドアが好きなら死ぬまでに一回くらい行ってみてはどうでしょうか、ホント、お勧めですから。見た目はごく普通の中高年の方が普通に選ぶルートですし(ただし、ベテラン風な方ばかりでメタボな人とかはいません)。あとアウトドア活動についてかなり自信がつきます。但し、低山で十分な経験を積んで、書籍等でできる限り知識を詰め込んで、装備も万全にするのは前提条件として必須です。特に自分の場合は悪路を歩いた経験がわりと多かったことが有利に働いたと思います。

学んだことについて少しだけ書くと、4~6時間くらいは休みをとらずにブッ通しでマイペースで歩き続ける、補給は歩きながらといったことでしょうか。ここら辺は独特なものかと思いますが、体験してみて”なるほど”と思います。一般的な登山ではこまめな休憩が大事と書かれていますが、縦走区間で休憩している人はまず見ませんでした。外国だと12時間ぶっ続けで歩くそうです、そうしないと(気象等で)死んでしまうから。